内外ニュース懇談会 講演要約
講演「日本のこれから」
立命館大学フェロー 加地 伸行 氏
2013年7月に開催した東京懇談会で「日本のこれから」と題して講演し「安倍首相が切るべき6枚のカード」について熱弁をふるった。
《加地伸行氏講演のポイント》
[社会保障]
若い元気なうちに自由な時間を使って介護など社会福祉関係の仕事に無償で従事する。掃除でもペンキ塗りでも植木の世話でも何でもよい。1時間につき1ポイント。将来、自分に介護が必要な時、それを引き出す。2万ポイントたまれば2万時間の介護を受けられる。ポイントは全国どこでも使えるようにする。大学入試や就職試験でもポイント数を選考の基準にする。
[少子化]
若い人達が一番困っているのが住宅費。3LDKの住宅を家賃5千円で提供する。小・中学校の校舎などを壊して50階建ての公営マンションを建て、1階から3階までは学校、幼稚園、保育所などが利用。4階から上に約1千世帯が住む。保育所、幼稚園、学校へ通う子供のいる日本人所帯が入居。結果として子供が増える。夜は教室を塾に安く貸す。夜でも安心して塾に通える。
[教育]
我が国の教育は国語が基本。きちっとした漢字を覚えて、国語の力を高める。それが国を豊かにする。ところが政府は今、英語教育をするという。ばかばかしい。悲劇以外の何物でもない。国語とは「国」と「語」の間にある「国家の歴史・文化・伝統を背景として展開してきた言語」なのだ。国語教育が大事だ、と声を大にして言いたい。
[エネルギー]
代替エネルギーの太陽光発電や風力発電などは信用できない。日本は海洋国家だ。海の流れや上下の温度差を利用する 海力発電 を瀬戸内海を中心に開発すべきだ。海力発電ができたら将来的に火力発電はなくしていく。水力発電は水を流して回っている単純な構造だ。そういうのは、したらいい。
[沖縄]
国防の要。なぜ大事か。大統領命令で有事即応の海兵隊がいるからだ。日本人全体が沖縄を背負い込んでいかねばならない。学生当時、同期生に沖縄の留学生がいたが、全く同じ条件で卒業した。今、沖縄で頑張っている高校生に沖縄枠をつくって無試験で入学させてはどうか。 旧帝大7校 で枠を決めて無試験入学。大学関係者ができる沖縄への気持ち。熱い思いでバックアップすべきだ。就職試験も沖縄枠を作ったらいい。 一方、基地問題。普天間から辺野古への米軍移転。住むのは辺野古にして訓練場所は別の場所にする。空母を3隻建造して、1隻は日本海に遊弋して北朝鮮をにらみ、1隻は尖閣付近で中国をにらむ。もう1隻は辺野古沖合に停泊し、バカなデモ隊が「県外へ」と叫べばスーと県外に出る。デモが解散したらスーと戻る。1か月もしたら辺野古の問題も解決する。
[尖閣]
わが国の領土。一歩も譲る必要ない。中国最大の弱点、食糧問題を突く。膨大な量の小麦を輸入しており、小麦の値段が上がるのが一番困る。日本は世界の小麦市場で値段を吊り上げ、円で買いまくる。買い付けた小麦はODAを出していた国に無償で提供。代わりに国連で日本提案を支持し投票することを約束させる。わが国の世界的な地位が上がり、中国は尖閣から出て行く。その結果、中国は最後のカード、日本に「カネを貸せ」と要求する。突然、習近平氏が特別機を仕立てて来日し、向かうのは靖国神社。最敬礼して参拝。「仲良くやっていきましょう、日本と」と心の中で言い、直ちに帰国。10兆円か5兆円か。これがいわゆる日中友好、というやつ。その時、靖国参拝でごまかされんぞ、というだけの根性があるかどうか。保守がしっかりせねばいけない。
※全文は月刊『世界と日本』に収録されます。また、要約は週刊「世界と日本」に掲載されます。
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konkondaharry (金曜日, 23 8月 2013 15:54)
社会福祉関係に従事しポイントを貯めて、将来それを引き出し使う。進学、就職試験でも使えるのは斬新。「いまの若者は思いやりがない」と言われて久しいが「きちんと家庭や学校で教えなければいけない」と思うのは・・・まだまだ見捨てたものじゃないはず! 社会を変える大きな力は持っているはず。