内外ニュース懇談会 講演要約
講演「尖閣問題と日中関係の今後」
評論家 石 平 氏
2013年6月に開催した東京懇談会で「尖閣問題と日中関係の今後」と題して講演。米中会談、尖閣問題、中国経済、日中関係など縦横に語った。
《石 平氏講演のポイント》
(1)講演2日前の、オバマ大統領と周近平国家主席の米中首脳会談。「差しで8時間。前例のない話」「それだけ難しい問題を抱えていた」。
大統領が主導して①サイバー攻撃②北朝鮮の核開発の2議題を積極的にリード。主席から「サイバー攻撃の調査を始め、今後共通のルールを作る」「北朝鮮の核開発を阻止する」と約束を取り付けた。「大きな成果」と明快だ。
大統領も主席が提唱する米中「新型大国関係の構築」に賛意を示したが「花を持たせて実を取る。主席は大きな宿題を持ち帰った」と見抜く。「米中関係はあと半年から1年、見る必要がある」と覚悟を説いた。
(2)そこで「尖閣棚上げ」問題。国交正常化交渉時、周恩来首相は田中首相に「今は話したくない」と表明。78年に来日した鄧小平副首相も「10年棚上げしても構わない」と強調したことを改めて紹介。「当時、日本政府は一言も反論しなかったが、これが一番の誤りだった」と断。
その上で周近平政権は「胡錦濤政権以上にタカ派」「安倍政権が譲歩しない限り挙げた拳を下さない」― つまり「尖閣問題は終わらない」と結論付けた。
(3)日本としては、中国にあんまり深入りせずに、一定の距離を置いて、ほどほどに付き合ったほうがいい。これからは東南アジア、インドを含めてあの辺は成長センターであり、そういう国々と連携を強めたほうがいい。もちろんアメリカとの同盟を基軸としての話だが…。
※大国関係(地域大国)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%A4%A7%E5%9B%BD
※全文は月刊『世界と日本』に収録されます。また、要約は週刊「世界と日本」2005号に掲載されます。
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