内外ニュース懇談会 講演要約
講演
「最後の役割を果たす」
日本維新の会所属 参議院議員
新党大地代表
鈴木 宗男 氏
内外ニュース東京懇談会10月例会は2日、ホテルグランドパレスで行われ、鈴木宗男氏が「最後の役割を果たす」と題し講演した。波乱万丈、長い政治家人生の中で「私なりに悟ったこと」を3つ挙げ、友人・家族、信念、感謝について語った。さらに現安倍政権との協調に触れながら、政治信条・政治への意気込みを述べた。
人に支えられてきた「わが人生」
私は中川一郎先生の秘書を務め、中川先生が亡くなった後は、「中川一郎氏自殺の原因は鈴木宗男だ」とメディアからバッシングも受けた。また逮捕され、収監されて刑務所生活を送ったが、そうした人生の中で私なりに悟ったことが3つある。
一つ目は、一人では生きていけないということ。家族、友人、仲間が必要だ。私はその点、家族、特に女房には感謝している。
選挙に出る時、女房が「あなた、政治家になるために秘書になったのでしょ。ここで選挙に出なければ、中川一郎自殺の原因は鈴木だと言われます。勝ち負けではない。選挙に出ることによってあなたの人生が決まる」と言ってくれた。
仲間といえば後援会の方々で、昭和58年から私を応援していただき、今でも続いている。だから私は9年間のブランクがあっても、政治家としてカムバックできた。
友人については、私にとってかけがえのない二人がいる。
一人は歌手の松山千春さんで、生涯の心友である。私の言う親友は親しい友ではなく、「心の友」である。あれだけの人なら、逮捕された私と付き合うだけでもリスクを負うので、離れていくのが普通だが、千春は死ぬまで鈴木宗男だと言ってくれている。
もう一人、生涯の戦友、闘う友がいる。外務省主任分析官だった佐藤優氏。外務省の時、上司から「鈴木を撃て。そうすればお前を助けてやる」と言われても、それをしなかったために逮捕された。私は佐藤氏の人間味に感謝している。今も毎日連絡を取り合う仲だ。佐藤氏は誰が何と言っても、知の巨人、日本のインテリジェンス、情報関係では第一人者である。
二つ目は、生き延びるためには信念を持つことだと思っている。ふらついてはだめだ。
437日間、東京拘置所にいたが、なぜ長く拘留されていたかというと、検察の調書にサインしなかったからだ。
私が何の事件で捕まったのか、意外と知らない人が多い。私が捕まったのは政治資金規正法違反などの罪だが、私は今も再審請求をしている。「俺の生き様に間違いはない」と、確固たる信念を持っていれば、人はついてくるし、どこかでわかってくれる日が来ると思っている。
三つ目は、目に見えない力で生かされているということ。その力とは亡き両親だったり、先祖のご加護だ。私は朝起きた時、仕事を終えて帰った時、必ず神棚と仏壇にお参りをする。万物の霊長に感謝する。両親やご先祖に感謝する気持ちを持つことが、大事ではないかと思う。
後援者に失望を与えたことは申し訳ないと思いながらも、この国策捜査に遭わなければ、1番にはなれなくても、間違いなく2番になれた。圧倒的な力のある2番でやっていけるという自信があった。しかし勝負の世界、何があるかわからない。
そういう意味でも437日間拘置所にいて、1年間刑務所にいたが、私なりにこの3つの意味、重み、尊さを知った。それだけでもいい経験をしたと思っている。同時に人目を忍んで生きることなく、堂々と胸を張って生きることができた。
また、私は人間関係、人との出会いを大切にしてきた。「1回付き合った人とは誠心誠意で付き合う」、これをモットーにしてきた。そのために今でも多くの人とつながっている。
だから私は若い人に、「負けるな、あきらめるな、前を向いて歩け。そして人一倍働け」と言いたい。努力は報われない時もあるが、努力した分は必ず返ってくる。そういうメッセージを発して、私は私なりの政治家の責任を果たしていきたいと思っている。
憲法・ロシアで安倍総理を支える
最後に、今の政治の話をしたい。昨日の夜も、安倍総理と約30分意見交換をした。安倍総理は意気軒高で、こうした強いリーダーの下で、いい政治がなされると思う。
安倍総理は憲法改正、日朝国交正常化、北方領土の解決・日ロの平和条約締結、この3つを何とかして成し遂げたいという強い決意をもっておられる。今回の組閣、様々な人事の中で、国家安全保障会議の局長が北村滋氏に替わった。これはうってつけの、最高の人事ではないかと思う。
また、安倍総理の日ロにかける強い思いは、父上の後ろ姿だろうと思う。思い出すのは平成3年、ゴルバチョフ大統領がソ連の最高首脳として初めて来日された時、安倍晋太郎先生は入院中だった。ゴルバチョフ大統領の歓迎式典に、医者にも奥様にも止められたが、「会う責任がある」と言って、強い決意で出てこられた。
その時に秘書として安倍晋太郎先生に寄り添っていたのが、今の総理である。体調が悪いながらも、安倍晋太郎先生はしっかり立ち上がって、ゴルバチョフ大統領と握手をされた。その姿を見て、私は感激した。政治家の魂、根性を教えられた気がする。
安倍総理は、御父上の後ろ姿を絶えず十字架のごとく背負い、立ち向かっていく、そこに総理の生き様があると思う。私もだれよりもロシアと向き合ってきた者として、安倍総理を支えていきたいし、サポートしていきたい。
併せて憲法改正も、安倍総理の強い思いがある。私は議論をするのが先だと思っている。
憲法の議論をするのが第一であり、このことに向けて、私なりの発信をしていきたい。特に日本維新の会は、「憲法の議論はする。時代に合った憲法にする」というのが党の考えなので、私もこの点で安倍総理の立場を応援できると思う。
日本維新の会は、健全保守政党である。私は、日本社会は保守の社会であり、健全保守の社会が日本の発展につながると思う。
そういう意味では、私は政治の安定に少しでも寄与して参りたいし、またその一翼を担っていきたいと思う。
※講演の動画は「内外ニュースチャンネル」でご覧頂けます。(会員専用)
https://www.naigainews.jp/懇談会/懇談会動画/動画-鈴木氏201910-会員専用/
また、要約は週刊「世界と日本」NO.2161号に掲載されます。
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