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内外ニュース懇談会 講演要約

講演
自民党改革と信頼を取り戻す決意

 

自民党総務会長・
衆議院議員  森山 𥙿 氏

 内外ニュース東京懇談会5月例会は14日、ザ・キャピトルホテル東急で行われ自民党総務会長・衆議院議員の森山𥙿氏が「当面の諸課題」と題し、日本の国際社会での役割と安全保障、派閥の政治資金問題とキックバック、今後の政治日程などを、幅広く提議、力強く熱く語った。

 

(講演動画は内外ニュースチャンネルで会員限定でご覧になれます)。


選対委員長時代より厳しい現状

 今、我々がどういう取り組みをし、国民の皆さまの信頼を取り戻す努力をしているかを話します。
 私は、国会対策委員長を長く務めた後、自民党の選対委員長を務めた。一番の課題は10増10減の調整と140選挙区の支部長選任で、特に10減は、自民党の国会議員の議席が無くなる大変難しい課題だったが、関係者のご理解と県連の大変なご努力で良い形で収められた。また、補欠選挙が衆参5選挙区で行われ、1議席のみ落とした。当時より今は、国民の自民党への信頼が大きく失墜している。

日本の国際社会での役割と安全保障

 今から日本が進むべき道は、世界での日本の位置づけを含め、国際社会でどう役割を果たすかも考えなければならない。安全保障を考えるときに随分、我々の地域も変わってきた。領海侵犯が頻繁に行われ、領海や領空や領土を守るという国の基本は、本当にやっていけるかと思うこともある。

 

 私の選挙区である屋久島の口永良部は、日本の領海で、大隅海峡が隣接するが、頻繁に中国の観測船が領海侵犯を続ける。今までは航海するだけだったが、最近は、長時間にわたっていろんな調査が行われ、大隅海峡を航海する中国軍の船がロシアの船と編隊を組んで航海する状況もある。我々は、台湾問題を含めて緊迫した状況が続いていることを強く認識しなければいけない。

 

 また、シェルターの計画が進みつつあり、沖縄の3つの島では、具体的にシェルターを作る計画が決定した。我々は、緊迫した状況を認識して、政治を進めていくことが大事だと思う。岸田内閣で進めている国の安全保障の関係の予算についても、国民の皆さんのご理解をいただけていることは、大変ありがたい。

派閥の政治資金問題とキックバック

 自民党の派閥政治資金問題をめぐる経過を話します。令和4年11月6日に、しんぶん赤旗が派閥のパーティー券収入で収支報告書不記載を報じ、令和5年10月1日、神戸学院大学の教授が東京地検に刑事告発したのが事の始まりです。11月18日、5派閥が収支報告書にパーティー券収入を過小した事が東京地検の聴取で判明し、令和6年1月7日、1名の衆院議員の除名を党紀委員会で決定した。1月10日に、臨時総務会で政治刷新本部の設置を決め、翌日に政治刷新本部の会議をスタートした。1月19日に党紀委員会で2名の衆参議員の離党を了承。1月25日、政治刷新本部の中間とりまとめを臨時総務会で決定し、各ワーキンググループが作業を始めた。

 

 派閥の解散問題では、安倍派、二階派、岸田派が1月19日に派閥の解散を決定。私が会長を務める近未来政治研究会は政策集団と思っていたが、国民の皆さんから派閥と政策集団の違いがご理解できにくい状況とわかり、私どもと有隣会・谷垣グループも1月25日に派閥、政策集団の解散を決定した。

 

 2月2日には調査チームを立ち上げ、2月8日まで2つの法律事務所の弁護士も立ち会い、党所属国会議員全員と選挙区支部長91名への聞き取り調査を実施。私はチームの座長として指揮した。

 また、2月5日から党所属国会議員全員にアンケート調査を行い、他に不記載やおかしなことがないかをヒアリングし、事を進めた。2月13日にアンケート結果を公表し、85名の不記載と総額5億8千万円も明らかにした。

 

 調査、ヒアリングが終わり、これを元に処分を決定。離党勧告を派閥責任者2名の衆参議員に、党員資格1年停止を2名の衆議員に、党員資格6カ月停止を1名に、党の役職停止1年を9名に、党の役職停止6カ月を8名に、戒告を500万円以下の未記載の方にした。1名、再審査の申し入れがあり、総務会で再審査の理由がないと決定したため、本人から離党届けが出された。

 また、党大会を控え、党則・党規律規約改正とガバナンスコード改訂のため、3月12日に総務会で了承し、説明責任の明確化と処分の厳格化を規定。

 

 3月16日、岸田総裁が「政治刷新車座対話」を全国で開催する方針を表明し、私は一昨日、和歌山と鹿児島で、昨日、北海道道連で車座対話をした。順調に車座対話が進んでおりまして、47都道府県のうちに、今年中に大体40都道府県が終わると思う。車座対話に参りますと、自民党がしっかりしないとこの国は持たないから、しっかり頑張れと励ましをいただき、何としても国民の信頼を取り戻すため、頑張っていかなければいけないと思う。

 キックバック開始の時期は掴めなかった。ただ、公認会計士や税理士に政治資金も相談する先生方は「キックバックでも収入があれば記帳しないとおかしい」と言われ、派閥に相談すると「その必要はない」と言われ、不審に思いながら惰性で続けたのかなと聞き取りの中で思う。

 

 安倍総理が平成17年の幹事長代理の時にきちんと記帳することを発表し、派閥に戻られたのは令和4年。「記帳せず国会議員にキックバックしている」と事務総長が話され、「まだ、続けていたのか」と安倍総理が非常に厳しく言われ、即刻廃止を派閥の人たちに伝えるよう指示されたのが同年4月8日と聞く。3カ月後の7月に総理が亡くなり、8月に同じことが繰り返されることも分かり、派閥会長の指示が守られなかったのは非常に残念だ。安倍総裁・総理が今、どんなお気持ちかを思うと本当に申し訳ない。

今後の政治日程

 今日、お集まりの皆さんの大部分が自民党を支援くださる方々だと思う。皆さんの期待に応えるには、党則も改正し、法律で担保すべきところは与党協議で大筋合意に至っているので、野党ともしっかり協議し、担保できるようにやっていく。そのことを確実に実行する以外に国民の信頼を取り戻せない。

 

 政治資金規正法を含め、法律で担保すべき事項が幾つかあり、公明党ともしっかり協議し、野党のご理解をいただき、今国会成立を何としても果たさなければいけない。総理の外交日程もあって、そんなに時間はないが、総理の大変強い思いもよく理解できるので、終盤国会、現場で努力させていただく。

 

 解散に関して、衆議院は常在戦場で、いつ解散になってもしっかり戦えるよう準備するのは大事だが、いつあるか誰にも分からない。総理の決断にかかっている。

講演動画は「内外ニュースチャンネル」でご覧いただけます。(会員専用)

動画 森山氏202405(会員専用) - 内外ニュースチャンネル (naigainews.jp)

講演要約は週刊「世界と日本」NO.2270・2271号に掲載されます。

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